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purucorgi's Bookshelf

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書籍・雑誌

2014年3月23日 (日)

一気読み。「震える牛」

Furueru

『震える牛』 (小学館文庫)
相場英雄 (著)
価格:\750

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今朝のフライトで札幌に戻ってきた。
移動の間、2年前に出版された話題作「震える牛」の文庫本を一気読み。
なかなか面白かった。

警察小説なんだけど、佐々木譲とスタイルが似てるせいか、主人公の田川が佐々木譲の佐伯とダブってしまう。

まあ、それはそうとして、この小説はヤバい。
舞台となるオックスマートはイオン?、テナントで入っているスポーツ店やカジュアルアパレル店もアルペンとかユニクロみたいに思える(シチュエーションはちょっと違うけど)。

この小説が出版された2012年は、奇しくも阪急阪神ホテルズを始めとして、一連の食品偽造が発覚した2013年より前だというのも興味深い。
2013年の食品偽装では、芝エビの偽装はまだかわいいもので、成型肉っていうのもあったよね。

別に成型肉がダメということではなくて、本書に出ている、肉とはいえない成型肉(ハンバーグやもつ煮、ステーキなど)、しかも添加剤だらけの製造工程の描写は、リアリティに満ちていて、吐き気をもよおす。

これが実態なのかもしれないと思うと、スーパーや居酒屋の肉は食べる気がしなくなる。特に大手チェーン店は。。

そこでインジェクションビーフについて調べてみた。

最大手のインジェクションビーフ工場は北海道にあった!

■ホクビー メルティーフビーフ

ここ、石狩新港にある工場だね。
食肉加工場にしては様相が普通じゃないと思った。
HACCP準拠の工場とは謳っていたけど、こういうことだったんだ。

■小山畜産青梅工場 雪華肉

ここは、インジェクションビーフといっても危なくないよ -と詳しく説明してる。
ホクビーが、国内最大の工場どというのは、ここのサイトを見て分かった。
こんなふうに正直に書かれると、一般のインジェクションビーフの製品は安全じゃないんだよと言ってるようなもの。

いずれにしても、ファミレスや激安店の加工食品はますます食べる気がしなくなった。

最後にもう一つ。

先月、福井に出張があり、小松空港から敦賀まで車を走らせていて、国道沿いのコンビニや外食チェーン店が立ち並ぶ風景を見ながら、どこ行っても風景が変わらないなあと感じていた。

本書でも、大規模ショッピングセンターやチェーン店の地方出店が、地方都市の風景を変えていると書かれている。
僕もそう思う。
こんなに地方に出店して、その企業はやっていけるのか。。
やっていけなくなると、昔のボウリング場みたいに、抜け殻になっちゃうんだろうな。

2012年10月28日 (日)

これでよろしくて? …で少しよろしくなる。

これでよろしくて? 『これでよろしくて?』 (中央公論新社)
川上弘美 (著)
価格:\1418

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変わったタイトルの本だけど、「嫁」「姑」というテレビドラマにあるようなテーマを扱っている。では、嫁-姑って何でテレビドラマによくあるのかというと、家族という組織の中で、問題を引き起こす原因として最も多いからに他ならない。

母親としては、長いことかけて息子を育ててきているから、嫁より息子のことを知っていると自負するものである。それに対して嫁は、夫の気持ちは本当は自分に向いていると思っている。その間で、息子が右往左往するわけだが、実はそう簡単なものではない。嫁にも器用な嫁と不器用な嫁がいるからだ。

実は私は自宅に帰ると妻の母親と同居しているので、こういう問題には少し敏感なのだ。
婿じゃないんだけどね。器用な婿と不器用な婿がいるとすれば、私は後者かなと思う。これは自分とは血の繋がりのない家族(妻もそうだけど)がいるというのは、なかなか厄介なものだと思ってきた。だけど、そうではないんだな。

主人公の菜月がこう気づいてしまうんだな。
そうだ、わたしはだんだんとわかってきてしまったのだ。
時が、わたしたちを変えてゆくということが。
場所をうつることが、わたしたちを変えてゆくということが。
人と会うということがわたしたちを変え、人と別れることがわたしたちを変えてゆくということが。
変わりたくなくとも、変わるつもりがなくとも、情け容赦なく、わたしたちたちは変えられてゆくということが。

この作品は、人間関係というものは、相手が誰であれ、自分は変えられ、影響を受け、時には翻弄されるというのは避けられないのだと言っているわけだ。
まあ、そうだな。
今、会社という組織、自分の家庭を振り返ると、「本当はこうじゃなかった」と思うことはたくさんあるけれど、今の状態は本来の姿じゃないなどと思っても何も始まらない。自分そのものなんだから。

本作は、劇的なドラマはないけれど、そういうことをじわじわと気づかせてくれ、さわやかな読後感だった。

人生は色々と面倒なことばかりだけど、それが人生なんだな。

2012年9月18日 (火)

この間「残照」を見て、「残光」を読んでみた。

残光
『残光』 (ハルキ文庫)
東 直己 (著)
価格:\840


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東山魁夷の作品に「残照」という作品がある。この作品は魁夷が様々なバリエーションを試す以前に描かれた比較的素朴な作品だ。一昨日行った外房の御宿の西、ちょうど内房側に当たる君津市に鹿野山という山があり、ここから西方向の山々をを臨んだ作品で、日が傾き、遠くの山をオレンジ色がかった光が染める風景は見ていてホッとする。
私はこの作品、結構好きで、山登りができたら、こんな風景も見れるんだなあ…なんて8月の「東山魁夷展」でこの作品を見ながら思っていたりした。

先月のことだったか、すすきので東直己さんを見かけた。どことは書かないけれど、東さんの妹さんがやっている店で、この店では運が良ければ、東さんに会える。
私は2回行ったことがあるけど、2回とも会うことができた。
そういうお店では、「いつも読んでます」なんて話しかけるのも野暮というもので、東さんは2回ともカウンターで飲みながら少し妹さんと話し、帰っていった。おそらくいつも長居はしないんだと思う。

そんなわけで、東さんの日本推理作家協会賞受賞作「残光」を読んでみた。舞台は札幌で、多くのシーンはすすきので展開されている。
佐々木譲の道警シリーズは有名だが、佐々木譲の警察モノが表の世界(実際には表の裏の世界)だとすれば、さしずめ東さんは探偵モノややくざモノといった裏の世界を描いている。
カラーも違うので、比較するべきものではないんだろうけど、つい比較したくなってしまう。

佐々木譲は直木賞作家でもあるし、推理小説の形態を借りた文学作品という趣きがある。東さんは徹底してエンターテイメント型のハードボイルドにこだわっているように思う。だから設定に多少の無茶があっても、別にいいのである。楽しめればね。だから、細かいこともここでは書くのはやめにした。

…と楽しんで読める作品にこだわって作品づくりしてほしいな。
また機会があれば、読んでみよう。

2012年9月 3日 (月)

首長竜にうってつけの日

Perfect『完全なる首長竜の日』 (宝島社文庫)
乾緑郎 (著)
価格:\590


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第9回このミス大賞受賞作。気になっていたんだけど、来年映画化されるそうで、買っておいた本作を開いてみることにした。
中盤まではゆっくりとストーリーは流れていく。昏睡状態の人間とセンシング(コミュニケーション)を行えるSCインターフェースという機器も現実にあるような錯覚を受ける。
途中から憑依(ポゼッション)や幻覚のようなシーンが挿入され、これはSFでありミステリーだと気づく。
後半はもう、どの意識が本物なのか混乱してくる。いくつかの選択肢を想像しながら、どこに落ち着いくか楽しみながら読める。
後から考えると、この設定どこかであったような気がする。
前半は遠く琉球の寂しい島に、郷愁を感じ、どこか純文学風な趣がある。

私は、小学生の時に日本の最北端に近い島、利尻島に2週間近く旅行したことを思い出した。伯父が旅館を営んでいて、そのひと部屋に家族で滞在したのだ。その時、母は十数年ぶりの帰郷だったと言っていた。
旅館の裏の澄んだ海に釣り糸を垂らすと、面白いように魚がかかった。私は海釣りが初めてだったけど、手付かずの自然の海がこんなにも豊かなことに物凄く興奮したことを覚えている。
そんなことを思い出しながら前半を読み進めた。沖縄と北海道じゃ全く正反対だけど、海がある風景というのは何か共通した懐かしさを感じるもの。
そんな前半を私はすごく好きになれた。

もちろんミステリーとしても秀作なんだけど、やはり前半あっての面白さだと思う。

因みにこの作品は佐藤健と綾瀬はるか主演で映画化され来年の初夏に封切り予定とか、どんな作品に仕上がるか楽しみだ。

2011年8月21日 (日)

「アサッテの人」、ポンパレ!

アサッテの人
『アサッテの人』 (講談社文庫)
諏訪 哲史 (著)
価格:\420

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冒頭から読みづらい文章だな…と思って、読むのを放棄していた。
哲学科卒で名前も「哲史」。
内容も哲学的だ。

それはさておき、この作品はアサッテの人との境界をバランスを取って生きてきた叔父が題材となっており筆者が叔父の日記から叔父の変化を読み取っていく過程を描いている。

何か劇的なストーリー展開があるわけではなく、書きながら自省し、それを客観的に軌道修正する試みが見られるのはちょっと変わっている。

「ポンパ」とは?
この作品では明確に定義されていないが、凡庸の世界をアサッテの視点から見た時に発せられる言葉なのか。

作品中に出てくる「ポンパ」がもう頭の中で蠢いてきて、自分までもがアサッテの人になりそうになる。
「ポンパ」と叫んでしまいそうになる。

凡庸を意識し過ぎ、アサッテ人となると、そこでは意味をなさない… というか凡庸な世界に住む人間からは弾き出せれてしまう。

ところで、リクルートのクーポンサイト「ポンパレ」はどういう意味か?

Logo_ponpare


気になって調べてみた。
「クーポン」の「パレード」らしい。
リクルートでこのネーミングを決めた人は、この小説を読んだのだろうか?
もし読んでいたら、このネーミングはボツになっただろうに。。

2011年8月 8日 (月)

「ひとり日和」…こんな簡単に一皮むけるかねw?

ひとり日和 「ひとり日和」 (河出文庫)
青山 七恵 (著)
価格:¥546 

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20歳の女の子が71歳の親戚のおばあさん宅に居候することに。
その日常を描いた作品であるが、本当に些細な日常を描いたものであり、とりわけ大きな事件もなく、不器用な20歳の女の子の心模様を淡々と綴っている。
…そんな印象を持った。

女って寂しく悲しい。。
でも男もそんなもんだよね。
日常に何か違和感を覚えながら生活している人が大半だと思う。

結局、おばあさん宅を出ることになり、少し成長していくわけだけど、その成長した意味がよくわからない。そこにストーリーとしての連続性がないからか…
性格ってそんなにすぐに変わらないものだよね。

文章は巧さを感じる。
一方で、男がこんな小説書いたら芥川賞候補にも引っかからないはず。
…と男の視点から見るとそう思うんだけど、女性の目から見たらどうなんだろう。。

2011年8月 6日 (土)

「砂漠」に雪は降るのか。

砂漠「砂漠」 (新潮文庫)
伊坂 幸太郎 (著)
価格:¥780

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プレジデントマン。。「お前は大統領か?」と言って襲う通り魔。
戦争を憎み、世界の平和を願っている。

この小説は、北村という真面目で冷静沈着な学生が主人公ではあるが、西嶋という風変わりで、やや偏執狂的な裏の主人公がいる。メッセージは西嶋の口から語らせる構成になっている。

西嶋がいう「目の前の人を救えないのに、何が世界を救うですか」

震災後であるだけに、ちょっと考えてみた。。
自慢じゃないが、震災に因んだことで何一つお役に立っていない。
震災も鳥瞰していた。
凄い!映画みたいだ…と。

目の前の人を救うこともしなかったし、まして世界を救わなきゃなんてことは考えたこともない。

「世界を救う」か…何だか学生時代はそんな大それたことも考えたりしたのかもしれないね。

それはともかく、卒業式で学長が「学生時代は良かったな、オアシスだった。あの頃に戻りたいなんて逃げるような人生は送るな」と言うわけで、社会に出てしまえば、そこは砂漠。

でも、砂漠に雪を降らせる。。そんな気持ちは忘れずにいたいもんだね。

2011年7月27日 (水)

「オーデュボンの祈り」の荻島に行ってみたい。

Odu 『オーデュボンの祈り』 (新潮文庫)
伊坂 幸太郎 (著)
価格: ¥ 660

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たまには本の紹介でも。
忙しくて、今は2週間に1冊しか読めていない。
なんという怠惰な生活。「忙しい」なんて理由になりませんね。

さて、本書。
実は前半は、「荻島」という宮城県の男鹿半島の沖合にある孤島という設定からか、少し現実からずれているせいで、入り込めず、なかなか進まなかった。
人物の設定がはっきりしてくる中盤からは、一気に読み進める。

人物は、未来を知っていてしゃべる案山子「優午」、犯罪者の匂いを感じ銃殺しても許される「桜」、そして主人公「伊藤」を追いかけている悪徳警官「城山」など、現実にはありえない設定ではあるが、ちょっとしたデフォルメを楽しんでいると思うと面白いよ。

まあ、筆者の作品はどこかそういうところがあるけど、その原型がこれだね。本作がデビュー作だから…
デビュー作にしてこれだけいいのに、未だに直木賞が取れない理由がわからないね。もはや、そんなものいらないくらいに売れっ子になっているけど。

とこで、今、自宅サーバHP ProLiant ML110で、ブログ書いているけど、HPのキーボードってしっくりくるなあ。この適度にソフトなキータッチが自分に合ってる。
キーボードなんて、本体にくっついてくるもんだから、あまり重要視してなかったけど、HPのキーボード使っていると、キーボードって大事だと思う。

2011年6月26日 (日)

福永武彦展。。切なくなります。

札幌に来ておりました。
今日が最終日。
この1週間、忙しかったので、今日はのんびり過ごすことにしました。
福永武彦の展示会があることを思い出しまして、北海道立文学館へ-

Fuhunaga 作家の展示会に行くのは初めてなのですが、福永武彦の展示会がなぜ成り立つのかというと数年前に発見された、彼の戦後日記にあるのですね。

いまさら言うまでもなく、芥川賞作家の池澤夏樹は福永武彦と原條あき子(山下澄)の間に生まれた実子ですが、現在の帯広柏葉高校の講師であった時代に、帯広で生活をしていたこともあり、この頃から東京(清瀬)のサナトリウムにて結核の療養に当たっていたころが戦後日記に記してあります。

福永武彦と言えば、「孤独」「愛」「ロマン」。死を意識しつつ、刹那的に生きる「生」のエネルギーが読者の心を揺さぶります。私も大半の作品を読んだつもりでいましたが、この展示会に行き、まだ半分くらいしか読んでいないことがわかりました。

それにしても、福永文学はいいですね。改めて実感。何と言っても、文章が純粋で美しい。
ご興味のある方はどうぞ。
7月10日までです。

2011(平成23)年6月4日(土)~7月10日(日)
休館日:月曜日
 
開会時間  9:30~17:00(入場は16:30まで)
 
会場   札幌市中央区中島公園1番4号
     Tel. 011-511-7655
     北海道立文学館特別展示室 
 
観覧料  一般400(320)円、高大生200(150)円、
     中学生以下及び65歳以上無料。
    ( )内は10名以上の団体料金
 
福永武彦関連の情報を集めるのにGoogleで探索していましたら、こんなページを発見。特にコメントは致しませんが、なんだかナ…

自分より偏差値10低い精神科医の信頼度
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/6680698.html

2011年5月 7日 (土)

心を整えなきゃ

心を整える

『心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣』
長谷部誠 (著)
価格: ¥1,365

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これ、売れてますね。現在の紀伊国屋のランキングで4位。
たまたまですが、本屋で立ち読みし、続きを読みたくなって買ってしまいました。

私は、こういう自己啓発本って基本的に読まないのです。人それぞれだと思いますので、同じやり方が自分に通じるとは限らないし、そもそも実行する力がないからね。

確かに長谷部誠は飛び抜けて個人技に優れたサッカー選手ではないけど、地味めで真面目そうな青年といった風貌で、「キャプテン」と言われれば、まあ確かに優等生っぽくて様になってる。偏見かもしれませんが、他のスポーツに比べると、サッカーは遊び感覚があるように思われているよね。

そんなサッカー界において、長谷部みたいな人は、“サッカー界の宝”という気がするね。これを読み終わってサッカーを見る目が変わったから。

本書では長谷部の56の習慣が紹介されているわけですが、「わかっちゃいるけどできない」ということが大半です。これを彼自身が、ストイックに、プロのサッカー人として実行しているということが、素晴らしいと思います。

見方によっては真面目すぎるのでは?と感じる人もいるかもしれません。しかし、それぞれの習慣は、目的がはっきりしており、それをやることの重要性を彼自身が強く感じているからこそできるのですね。

この本を読んで、自分を振り返り、恥ずかしいと思った人がどれだけいるか…
感化されながらも、私の今日1日ですら満足に実行できなかった自分。でも時には、こんな自分を振り返らせてくれる本に接すると、とてもポジティブになれるよね。
まあ、今はそれだけでいいか…

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