一気読み。「震える牛」
『震える牛』 (小学館文庫)
相場英雄 (著)
価格:\750
今朝のフライトで札幌に戻ってきた。
移動の間、2年前に出版された話題作「震える牛」の文庫本を一気読み。
なかなか面白かった。
警察小説なんだけど、佐々木譲とスタイルが似てるせいか、主人公の田川が佐々木譲の佐伯とダブってしまう。
まあ、それはそうとして、この小説はヤバい。
舞台となるオックスマートはイオン?、テナントで入っているスポーツ店やカジュアルアパレル店もアルペンとかユニクロみたいに思える(シチュエーションはちょっと違うけど)。
この小説が出版された2012年は、奇しくも阪急阪神ホテルズを始めとして、一連の食品偽造が発覚した2013年より前だというのも興味深い。
2013年の食品偽装では、芝エビの偽装はまだかわいいもので、成型肉っていうのもあったよね。
別に成型肉がダメということではなくて、本書に出ている、肉とはいえない成型肉(ハンバーグやもつ煮、ステーキなど)、しかも添加剤だらけの製造工程の描写は、リアリティに満ちていて、吐き気をもよおす。
これが実態なのかもしれないと思うと、スーパーや居酒屋の肉は食べる気がしなくなる。特に大手チェーン店は。。
そこでインジェクションビーフについて調べてみた。
最大手のインジェクションビーフ工場は北海道にあった!
ここ、石狩新港にある工場だね。
食肉加工場にしては様相が普通じゃないと思った。
HACCP準拠の工場とは謳っていたけど、こういうことだったんだ。
ここは、インジェクションビーフといっても危なくないよ -と詳しく説明してる。
ホクビーが、国内最大の工場どというのは、ここのサイトを見て分かった。
こんなふうに正直に書かれると、一般のインジェクションビーフの製品は安全じゃないんだよと言ってるようなもの。
いずれにしても、ファミレスや激安店の加工食品はますます食べる気がしなくなった。
最後にもう一つ。
先月、福井に出張があり、小松空港から敦賀まで車を走らせていて、国道沿いのコンビニや外食チェーン店が立ち並ぶ風景を見ながら、どこ行っても風景が変わらないなあと感じていた。
本書でも、大規模ショッピングセンターやチェーン店の地方出店が、地方都市の風景を変えていると書かれている。
僕もそう思う。
こんなに地方に出店して、その企業はやっていけるのか。。
やっていけなくなると、昔のボウリング場みたいに、抜け殻になっちゃうんだろうな。
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