労基署からお呼びがかかりまして、先週「労働条件に関する調査」に提出書類を持って行ってきました。調査日の10日くらい前に文書が届いていましたので、提出書類を揃えるには十分に時間がありました。
届いた文書はこれです。
自主点検表は以下の通りです。せっかくの経験ですので、今回はこれに基づいて解説してみます。
1. 労働条件の明示
ここは採用に当り、労働条件通知書を発行しているかどうかです。
労働条件通知書を発行している場合は、それを確認します。確認事項は点検項目の通り。当社は、正社員と契約社員の労働条件通知書を各1通提出しました。
2. 有期契約労働者の労働条件
有期労働契約の労働条件明示においては、特に契約更新に関わる事項が明示されているかどうかが問題になります。当社の場合は契約社員がいますので、労働条件通知書は下記のように明示していました。
・契約更新の有無
更新する場合がある。
・契約更新の判断
契約期間満了時の業務量・勤務成績・態度・能力・会社の経営状況・従事している業務の進捗状況
3. 就業規則
通常、就業規則くらいはあるでしょう。タイムカードで実態をチェックされますので、実際の勤務の状態に合っているかどうかがポイントです。
当社の場合はグループウェアの勤怠データを印刷して持っていきましたが、特に問題はありませんでした。
4. 就業規則・時間外労働協定等の周知
当社の場合は、サーバの共有フォルダに置き、誰もが見れるようにしていると説明しました。
5. 所定労働時間
就業規則に40時間と定めています。就業規則のチェックですが、これは問題ないでしょう。
6. 1か月単位の変形労働制
当社は裁量労働制を取っておりまして、届出も毎年提出しています。よって、これは該当しませんでした。
7. 1か月単位の変形労働制の届出
これも6と同様。
8. 時間外労働・休日労働に関する協定届
いわゆる36協定の届出です。当社は提出済みですので問題ありませんでした。届出は原則3月末までに出しておかなければいけませんが、遅れてもかまいませんので(労基署で「遅れてすみません」と言えば大丈夫)、提出していないようでしたら、すぐ出しましょう。
9. 所定休日
当社の場合、完全週休2日制で、就業規則にも明記していますので、特に問題ありませんでした。
10. 年次有給休暇
労基法どおりに定められているか、就業規則をチェックされます。まあ、これも問題はないでしょう。
11. 賃金控除
賃金から控除できるものは法令で定められているものだけです。法令で定められていないものを控除する場合は、労使協定を締結しておく必要があります。なぜ、このような項目が入っているのか考えてみましたが、おそらくグッドウィルが「データ装備費」と称して賃金から強制的に一定の金額を控除していたことが問題になりましたよね。
もちろん当社はありませんが、会社が一方的に引いているような項目があれば問題になります。もし、制服代や従業員が自社商品を購入した代金などを引いているようでしたら、協定を締結しておくことをお勧めします。
12. 最低賃金
正社員で最低賃金を下回ることはまずないでしょうから、パート・アルバイトの時給は要チェックですね。高校生と言えども最低賃金を下回ってはいけません、また試用期間中であってもこれを下回ってはいけませんので、注意が必要です。
13. (1)割増賃金
時間外労働・休日労働・深夜残業の割増賃金をタイムカードと賃金台帳で照合します。当社の場合、裁量労働ですので、裁量労働協定届の「協定で定める労働時間」-「1日の所定労働時間」が時間外労働と見なされますので、その分を一定の時間外手当として支給しています。それで問題はないようです。念のために、時間外手当の内、一定の時間が深夜残業として、割増しておけば万全です。
…当社は一応万全でした。
13. (2)割増賃金計算
特に1年単位の変形労働制を取っている事業所では、その計算根拠が問われます。当社は13の通りですので、特に問題はありませんでした。
14. 健康診断
普通はやってますよね。当社は年1回です。問題なし。
15. 時間単位年休
今年の4月1日から時間単位年休が認められるようになりました。当社はこの制度は採っていません。というか、裁量労働にこれはありえません。時間単位年休は義務ではありませんので、もし時間単位年休を認めているようでしたら労使協定を締結しているかどうかが問われます。
以上、解説でした。当社の場合は1時間の予定でしたが、15分程度で完了しました。もちろんNo Problem。
もし、労働条件の関する調査の文書が来ましたら、ご参考いただければ幸いです。
(上記の内容は事前にクリアしておくべきでしょう)
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