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2009年12月 6日 (日)

『無理』…奥田英朗流「囚人のジレンマ」ゲーム

最悪、邪魔… 私はこの2作品は高く評価されて然るべき奥田英朗の代表作だと思っております。
そして今回の『無理』は、最悪、邪魔と同じテイストの長編小説で、私にとっては待ちに待った作品。期待を裏切らない長編です。

Muri 『無理』
奥田 英朗 (著)
価格:¥1,995

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奇しくもこれが書かれた背景には格差社会があります。表面的に均衡を保っていた日本経済が、リーマンショック以降の急激な景気後退によって、深層にあった事象が地表を削られ、表面化してきたこの時代に符合しますね。

例えば地方都市において、バイパスに次々に出店する量販店の煽りで、駅前の商店街は死滅していくという風景は、ここ十数年で徐々に進んできた事象です。これは一過性のものではなく、いつか何とかなるだろうという人々の思いとは裏腹に、いつの間にか二度と元に引き返せないところまで来てしまっていることにある時、気づきます。

これまで普遍的だと思ってきたこと、あるいは何とかなるという楽観的見通しが成り立たなくなったこの時代を、本作に登場する2代目市議会議員、社会福祉事務所のケースワーカー、新興宗教に入信する中年女、誘拐拉致される高校生などの姿を借りて描いています。

最悪、邪魔、無理に共通しているのは、「堕ちていく」という不安感と言ってよいでしょう。主人公たちが堕ちて行く瞬間は、ちょっとしたはずみが原因となっています。しかし、足を踏み外した瞬間から自分の意図に反してズブズブとぬかるみに沈んでいってしまいます。主人公のぬかるみに沈んでいく快感とは裏腹に、読者にはどうしようもない苛立ちが発生し、読み進めながら冷や汗をかいてしまうほどです。

この苛立ちは社会的ジレンマの実験「囚人のジレンマ」を思い出させます。この実験は学生の時に習ったものですが、まさにこういう時代には当てはまるものかもしれません。

『囚人のジレンマ』 Wikipedia

ともかく、奥田的心理ゲームを堪能したい方にオススメの一冊です。

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